研究発表募集のお知らせ【第二報】
2021年の全国大会(名城大学)については、来年度の大学キャンパス利用の可能性が低いことが判明しましたため、Zoom等を使用した完全なオンライン開催として企画を進めてまいりたいと思います。
すでにホームページ等でご案内しておりました日程、テーマ、研究発表募集の締切に変更はございません。
今後、オンライン開催の実施要領等を【全国大会第3報】として、学会HP(1月末頃まで)および2月に発行の会報を通じて、追伸させていただきます。研究発表応募(2月28日〆切)をご検討の会員は、次の【第3報】を必ずご確認いただきますようお願いいたします。
学会として、皆様の安全を確保しつつ研究活動を継続、奨励していくための苦渋の決断となりますが、何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
2021年度全国大会実行委員長 岩井 眞實
「臨界点の演劇」
2021年6月26日(土)、27日(日)(予定)
オンライン開催(名城大学)
アンリ・グイエは『演劇の本質』の中で、演劇の本質は「現前」することであると述べました。グイエの理論一般はやや旧弊のきらいもありましょうが、この指摘だけは的を射たものに相違ありません。現前性はすなわち一回性であり、複製と同時多発が不可能であることを指しています。これが演劇というメディアの脆弱性であり、同時に最大の可能性でもあるといえましょう。
この現前性ゆえに、内外の演劇界は新型コロナウイルスによって瀕死の状態に陥りました。しかし程度の差はあれ、過去にも戦禍・震災・疫病・テロリズムなどによって演劇は存亡の危機に瀕し、その度に復活を遂げた歴史があります。こうしたいわば「臨界点」と、演劇はどのように向き合ってきたのでしょうか。あるいはどのように向き合うべきなのでしょうか。「臨界点」における演劇のありようを歴史から学び、現状を正確に把握し、その可能性と限界を展望し、かつその知見を共有することが最も時宜に適ったテーマ設定であると考えます。
なお、劇場の相似形である教室もまたコロナ禍の影響を受けました。遠隔授業は教師・学生双方を消耗させ、一部において就業・就学意欲を奪いました。しかし一方で、遠隔授業にある種の授業の可能性を見出したむきもあるでしょう。いずれにせよ、学校あるいは教室のありようが根本的にゆさぶりをかけられたことは否めない事実です。そしてこの「ゆさぶり」は演劇におけるそれとやはり相似形をなすものと思われます。教育にまで範囲を拡げた議論をも期待しています。
2020年6月6日、7日に名城大学で開催を予定していた全国大会のテーマは「演劇研究の国際性と学際性」でした。多くの発表応募をいただきました。このうちいくつかは秋の研究集会等で実現をみましたが、当該テーマに即した講演・シンポジウム・パネルは棚上げされた状態です。旧テーマについても、あるいはその他のテーマに関する発表も受けつけたいと思います。
■研究発表応募要領
下記の①〜⑥の情報をA4一枚にまとめ、E-maill添付(件名:「2021年度日本演劇学会全国大会応募」)、または郵送でご応募ください。E-mail添付の場合はwordの形式でいただければさいわいです。
① 発表またはパネル題目 ② 発表者氏名(ふりがな) ③ 所属・身分(学年)
④ 連絡用の住所、電話番号、E-mailアドレス ⑤ 使用予定機材 ⑥ 発表要旨(600字程度)
⑦その他(1月末頃に公開の「オンライン発表の応募要領」を必ずご確認ください)
■応募資格
本学会員であること。また本年(2020年)度の学会費を収めていること。
【発表題材例】
戦争劇の諸相/震災と演劇/コレラと幕末・明治期の演劇/劇場取締規則の変遷/スーザン・ソンタグの「ゴドー」/平田オリザと豊岡演劇祭の試み/移動演劇隊を再検証する/zoom演劇の限界と可能性/ナショナル・シアター・ライブの試み/ゲキシネ、シネマ歌舞伎 など
■応募締切り:2021年2月28日(日)必着
■応募先
〒461-8534 名古屋市東区矢田南4-102-9 名城大学外国語学部 岩井 眞實 宛
E-mail: miwai★meijo-u.ac.jp(★をアットマークに換えて御送信下さい) Fax :052-721-8881
* 電子メール添付の場合、送信後2日以内に確認の返信がない場合は、恐縮ですが上記Fax番号にメールアドレス明記のうえご連絡ください。その場合締切は柔軟に対処します。
◆上記内容はこちらからもダウンロードできます:PDFファイル